おじいちゃん、
おばあちゃん子だったから、
介護はぜんぜん平気でした。
介護の仕事に飛び込むとき、多くの人が最初に感じるのは不安だ。
きつそう。大変そう。自分にできるのだろうか。
世間に流通しているイメージが、経験よりも先に頭を支配する。
でも富松さんは、少し笑って言う。
「みんな、うちのおじいちゃんとおばあちゃんみたいな感じだから別にって。ぜんぜん平気でした」
幼い頃から、おじいちゃん子・おばあちゃん子だった。高齢者と過ごす時間は、特別なものではなく、日常の延長だった。
最初は週3回、数時間からの勤務。いきなり背負い込むのではなく、生活の中に少しずつ介護を置いていった。
「行ってみて、あ、こういうとこなんだって。思ってたより、すぐ慣れましたね」
介護は、構えて臨む世界ではなかった。誰かと関わり、声をかけ、同じ時間を過ごすことは、彼女にとって普通のことだった。
「あれこれ考えすぎるより、やってみたほうが早いと思います。合わなかったら、それはそれでいいし」
「やる前から大変だと思い込まないほうがいい。まずは触れてみる。すると案外できてしまう人はいると思う」
言われてみると確かにそんな気がするのは、富松さんの高齢者との接し方が、家族のように自然だからだろう。