人と人が触れ合うからこそ生まれる、介護の魅力。
俳優として20年以上のキャリアを持つ眞野さんだが、現在はケアマネージャーとしても週4日ほど働いている。
利用者さんとコミュニケーションを取り、どんなサービスが必要なのかを考え、各事業所との連絡調整を行う。
いわば、介護現場の司令塔のような存在である。
「対人援助職なので、人とお話しする機会がすごく多いんです。
すごく学びのある仕事で、利用者さんのお家に行ったりして密に接することが多いので、利用者さんとそのご家族の背景などを知ることがあった時には、自分自身の生活を振り返るきっかけにもなりますね」
眞野さんが介護の世界に足を踏み入れたのは、2011年のことだった。
きっかけは、東日本大震災。
当時の眞野さんは、俳優として生きていくことを夢見ながら、アルバイトで生計を立てる日々を送っていた。
しかし、あの大震災が、人生を見つめ直す転機になったという。
「震災があった時に、何か人の役に立ちたいという気持ちが生まれて。
今までは自分の夢のためだけに、と思っていたんですけど、それがちょっと変わったんです。
『私、何やってるんだろう?』って。人の役に立って生きているんだろうか、ということを考えるようになりました」
姉が看護師、母親がヘルパー。福祉はもともと身近な世界だった。
障がい者の外出支援から始め、やがて高齢者介護へ。
ヘルパーの資格を取り、訪問介護、特別養護老人ホームと経験を重ねていった。
働き始めてみると、それまで抱いていた介護へのイメージは、いい意味で覆された。
「介護のイメージって、3Kって言われたりするじゃないですか。
でも私の職場では手洗いやうがい、除菌を徹底していて、むしろ介護の仕事を始める前よりも健康になった気がします」
「スタッフ同士にも仲間意識が生まれて、お互いに声を掛け合うことも多くて。今まで経験してきた他の仕事よりも、みんなが気遣いながら働いていたんです」
働くほどに、介護という仕事の奥深さに気づいていった。
人と人が触れ合うからこそ生まれる、かけがえのない瞬間がある。
「利用者さんが『話を聞いてくれてありがとう』とか、『あなたが来てくれて助かった』とか言ってくださることもあって。
ほんのささいなことでも感謝してもらえるというのは、すごくありがたいなと思うし、たとえよくわからない会話をされたとしても、その人にとっては意味のあることなので。
それを発見した時に『このことで喜んでたんだ』とか『これが原因で困っていたんだな』という発見があるんです。働いていても、すごく楽しくて充実感がありますね」