Interview

応援が、介護を変える。
デイサービス
「りふり柴又」が、
夢の続きを支える理由。

生活リハビリデイサービス りふり ロゴ

りふり柴又店 東京都葛飾区柴又 5丁目10-1
コスモ柴又1F TEL:03-6801-7741

  • シグニフィ代表取締役 髙田志郎さん 写真

    シグニフィ代表取締役

    髙田 志郎さん

  • りふり柴又 施設長 鈴木真希さん 写真

    りふり柴又 施設長

    鈴木 真希さん

  • シグニフィ代表取締役 髙田志郎さん 写真

    りふり柴又 介護スタッフ
    南葛SC WINGS
    女子サッカー・なでしこリーグ所属

    会沢 日花里さん

生活リハビリに特化したデイサービス「りふり」を運営するシグニフィ株式会社では、介護の仕事を通して、その人らしい人生を支えることを大切にしています。
代表を務める髙田志郎さんのもと、夢を持つ職員の挑戦を支える環境づくりに取り組み、その想いは日々の現場に息づいています。

◆◆◆

りふり柴又は、日常生活の動きそのものをリハビリにつなげるデイサービスです。専門職が一人ひとりの身体状況や暮らしに寄り添って「できる」を積み重ねていく支援を実践。高齢者だけの場所に閉じない、地域にひらかれた“健康の拠点”として、その人らしい日常を支えて続けています。

介護職はきつい、忙しい、余裕がない。そんなイメージが根強いせいで、ほんとうは社会的に意義深い仕事であることが伝わっていない。

でも、介護の現場が、誰かの夢を“続けさせる場所”になれたら。
利用者さんが“誰かを応援すること”で、もう一度、目標を持てたら。
職員もまた、その応援に背中を押されて「自分も頑張ろう」と思えたら。
葛飾区のデイサービス「りふり柴又」にはそんな循環がある。

支えているのは制度だけじゃない。“応援が文化になっている現場”だ。
シグニフィ株式会社が自社事業として運営する「りふり」は、なぜこの挑戦を続けるのか。代表・髙田志郎、施設長・鈴木真希、そして南葛SC WINGS(女子サッカー・なでしこリーグ所属)の会沢日花里。
3人の言葉から、その理由を紐解いた。

会沢 日花里さんの1日のタイムスケジュール 仕事とサッカーの両立

ITとデザインの会社で、
理想のデイサービスをつくる。

シグニフィは、ITとデザインの会社としてスタートした。
エンジニアやクリエイターが集まり、依頼を受けて“つくる”ことを続けてきた。
しかし髙田さんは、ある時から考えるようになった。自分たちの専門性を、誰かの案件ではなく“自分たちの事業”で発揮できる場をつくれないかと。

「エンジニアもデザイナーも、受ける側としての仕事が多かった。納品したら発注先との関係が終わる。その先がない。それなら自分たちで事業をつくって、彼らの能力を発揮してもらうしかないと考えたんです」

そのタイミングで、介護業界で働く学生時代の親友から相談が来た。
「理想のデイサービスをつくりたい」 ―― 執行役員・芹沢氏との出会いが、介護事業の入口になった。

最初は事業の一つとして始めた。だが、現場に触れるほど、介護は単なる事業領域ではなく、社会の構造に直結するテーマになっていった。

「介護って、毎日“ありがとう”があるんですよね。連続して毎日、充実感を感じられる。すごくいい環境だなってやりながら思いました」

ITとデザインで培った“ソリューション=問題解決の姿勢”を、介護の現場に持ち込む。そして、もう一つ。髙田さんが価値だと考えたものがある。
それが「夢を追う人を、仕事が支える」という発想だった。

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「健康情報発信基地」という
シグニフィの構想が、街とつながった。

デイサービス「りふり」を立ち上げた時、構想は“施設の中”だけで閉じていなかった。描いたのは、地域のなかで「りふり」が果たす役割だ。

「地域のお年寄りから子どもまでが、“健康”っていうキーワードで訪ねてくれるような、健康情報発信基地にしたいという想いがあったんです」

葛飾区で店舗を運営するなか、同じ言葉を掲げるサッカークラブを知る。
南葛SCだった。「街を元気にしたい」という志に共感し、スポンサーとして応援するところから関係が生まれた。

やがて南葛SC側から「選手を働かせてくれないか」と相談が来る。
その第1号として、りふり柴又に入ったのが会沢日花里さんだった。

高田さんは、この出会いに感謝した。

「サッカーはチームワークの競技。デイサービスも、チームで一日を終える仕事。そこに“相性”があると直感しました」

「スポーツを一生懸命やってきた子が周りに与える影響って大きい。
スタッフにも利用者さんにも、いい影響があるだろうなと思ったんです」

働きながら夢を追う。言葉にするのは簡単だ。でも現場には、現場のリアルがある。そのリアルを引き受けるのが、りふり柴又だった。

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「前例がない」から始まった、現場の葛藤。

会沢さんが、りふり柴又に入った当時、施設長の鈴木さんにとっても初めてのケースだった。サッカーを本気で続けながら、週5で常勤勤務。
しかも遠方から片道1時間半かけて通う。

「きついだろうなって思ってましたね。疲れてたと思うんですけど、本人はそれを見せないようにしていて」

体力面での負担が気になった。会沢さんは膝のケガも抱えていたからだ。

介護は、現場仕事だ。送迎、リハビリ補助、入浴介助、食事介助、身体を使う。

鈴木さんは「応援したい」と「無理させたくない」の間で悩み、現実的な調整に
入る。勤務の組み方を変えた。月火をフル、その他は出勤を遅らせる時短勤務に。
試合や合同練習は、特別休暇で対応。残業は極力なくし、5時に上がって練習に向かえるようにした。

制度だけ見れば、ただの“配慮”かもしれない。
だけど、りふり柴又の空気は違った。一人だけ特別扱いに見えて、現場に不満が出る―― その心配が、ここでは起きなかったという。

「職員から不満とかは一切出たことがないです。店舗をあげて応援してますね」

それは、会沢さんが“応援されるに値する”働き方をしていたからだと、鈴木さんは付け加える。疲れを見せず、よく動き、よく気づく。
その一生懸命な姿が、応援を文化に変えていった。

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「最初は、やめようと思った」
膝の不安を抱えながら未知の介護へ。

会沢さんはサッカー歴19年。小学校1年で始め、気づけば人生の軸になっていた。
一方で、介護は「やるつもりがなかった」と言う。
南葛SC入団後、シグニフィがチーム支援をしていた縁で、介護事業を紹介された。

「最初は迷いました。膝のケガもあったし、両立は大変だと聞いていたので」

それでも踏み出した。理由はシンプルだった。やってみないと分からない。
そして、やってみたら、想像と違った。排泄介助や入浴介助への抵抗感もあった。
でも現場で思い直した。

「排泄も入浴も生活に直結することに気づいて。心地よい状態になった利用者さんを見て、普通のことだなって感じられるようになりました」

介護は、誰かの“当たり前”を取り戻す仕事だ。それを目の前で見たとき、会沢さんの中で価値観が切り替わった。

そして何より、言葉が返ってくる。

「お礼を言ってもらえると、力になれたのかなっていうのが自信になりました」

ここから先、この記事の核心は「両立のすごさ」ではない。応援が生まれる設計が、どう現場を変えているか。会沢さんは、その中心に立っていく。

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会沢さんへの応援が、利用者の目標になる。

髙田さんが繰り返し語ったのは、利用者にとっての目標の大切さだった。

「高齢者の方って、目標を見失ってモチベーションが下がってしまう。だけど“応援する存在”がいると、それが目標になるんです」

会沢さんが働くことで施設の雰囲気は変わる。りふり柴又に“競技の時間”が流れ込む。YouTubeで試合映像を流す。シュートが決まれば歓声が上がる。

職員と利用者の関係に、もう一つの共通言語が生まれる。
「次の試合はいつ?」「膝はどう?」その会話が、日々を前向きにする。

髙田さんは断言する。

「何かに打ち込んでる人に働いてもらうことは、メリットしかないと思うんです。責任感もありますし、他の人のことも考えて動ける。そんな特性を持った人たちが多い」

夢を追う人を受け入れるのは、慈善ではない。現場に“活気”をもたらし、利用者の通う動機にもなる。そして職員自身にも影響する。

「ファンになってくれると、“りふりに通おう”っていう気持ちが強くなる。
その影響はとても大きいと思います」

りふり柴又がつくっているのは、単なる“働き方の柔軟さ”ではない。
応援が、価値として循環する仕組みだっだ。

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母親みたいに泣いちゃうぐらい感動する。

応援はキラキラした話だけじゃない。会沢さんの膝のリハビリ期間は長く、入院や復帰を繰り返した。その不安を、利用者は理解し、声をかけた。

「リハビリ頑張ってねって、利用さんからよく声をかけられてました」

その様子を一番近くで見てきたからこそ、鈴木さんの涙腺がゆるむ。

「試合を見に行くと泣いちゃうぐらい感動します。もう母親目線です」

施設には『ひかり輝け!会沢日花里』が目に飛び込んでくる応援ポスターが貼られ、手作りの“推しキーホルダー”が利用者のバッグに揺れる。
半年に一度の応援観戦ツアーもある。職員だけならほぼ毎試合。
介護の現場で、ここまで誰かを応援する文化が育つのは珍しいと思った。
でも鈴木さんは、これは特別な仕組みではないと言う。

根っこにあるのは、日々の姿勢だ。会沢さんへの絶賛を惜しまない。

「サッカーの練習がハードなときがあっても疲れを見せないし、けなげに頑張っている。だから周りも応援できてるんじゃないかな」

そして、応援する側も勇気をもらっている。

「自分も頑張らなきゃなって、会沢さんを見てると思うんです。大変なのにいつも笑顔で、そこも見習いたい」

応援は一方通行じゃない。現場全体を少しずつ強くする。その空気があるから、会沢さんは“根性”だけでなく“環境”で走り続けられるのだ。

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介護職だからこそ、応援がダイレクトに伝わる。

会沢さんは、利用者さん、職員からの応援をありがたいと感じている。

「応援してくれる人たちの支えは絶対だと思う」

サッカーも介護も、うまくなるためには積み重ねるしかない。でも積み重ねの途中で、心が折れる日がある。そのとき、目の前で応援してくれる人がいることは想像以上に効くという。

「介護職だからこそ、応援はすごいダイレクトに伝わる。応援してるよっていう表情とか言葉とか、そのまま受け取れるから頑張れる力になります」

利用者にとっては、会沢さんを応援することが目標になる。会沢さんにとっては、利用者の応援が力になる。職員にとっては、会沢さんの頑張る姿を見て自分を奮い立たせる。そして事業所にとっては、その循環が“価値”として積み上がる。

会沢さんが目指すのは、ただプロになることではない。

「周りに喜んでもらえる選手なりたいし、ならなきゃって思ってます」

点を決めた瞬間に、施設が沸く。その喜びを知っているから、会沢さんは
“自分のため”だけではなく、”応援してくれるみんなのため”にも前へ進む。

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「りふり」は夢を持つ人を、いつでも迎える。

「特別な人を集めたいわけじゃないんです」

髙田さんは、そう言う。競技者だから、表現者だから、若いから。
何かが突出している人だけを評価したいわけではない。

必要なのは、夢を持っている人が“居づらくならない環境”だ。
肩身が狭くならない。「それ、仕事に関係あるの?」と切り離されない。
応援されることを遠慮しなくていい。

「夢がある人ほど、仕事を雑にしないんですよ」
「生活を大事にしているから、人の生活にも誠実になれる」

髙田さんの言葉は、理念というより、現場で見つめてきた実感に近い。

実際「りふり」では会沢さんだけでなく、マラソンランナー・石川将貴さんの挑戦も同じように応援してきた。
事業所に貼られた応援ポスター、利用者さんからのメッセージ、そしてりふりのロゴを背負って走るユニフォーム。
応援はイベントではなく、日常の風景として当たり前のようにある。

だからこそ「応援が文化になっている現場」という言葉が、ここではきれいごとに聞こえない。

介護WITHという言葉は、働き方を飾るスローガンではない。
「ここなら、人生を丸ごと持ち込んでいい」そう思える現場で、すでに起きている事実だということを知っておいてほしい。

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応援が文化になると、介護はここまで変わる。

with NOTE|編集後記

「夢を追う人を応援する」広告でよく見かけるキャッチコピーだ。
言葉だけならどこでも言える。でも、りふり柴又の応援は本物だった。

膝のケガ、通勤の遠さ、常勤の責任。会沢さんが夢に挑む日々は、きれいごとだけでは続かない条件が揃っていた。それでも現場が回っているのは、制度より先に応援が文化になっていたからだ。

応援は、会沢さんのためだけではない。利用者さんにとっては、「次の試合まで元気でいよう」という目標になる。
職員にとっては「自分も頑張ろう」と姿勢を正すきっかけになる。
そして事業所にとっては「通いたい理由」をつくる価値になる。

もちろん介護が抱える課題を、すべて応援で解決できるわけではない。
でも、応援が生む“目標”と“活気”は、確かに現場を変える力を持っている。
りふり柴又の挑戦がそのことを教えてくれた。
応援がある介護が、今日もきっと誰かの人生をいきいきと彩っている。

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