合同会社アワーディケイド

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中西俊勝さん

ハーモニーヘルパーズ
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来家恵美子さん

ハーモニーヘルパーズ

介護WITHあなたの夢

訪問介護事業所<ハーモニーヘルパーズ>を運営する合同会社アワー・ディケイドでは、介護の仕事をしながら総合格闘技や演劇などの表現活動をする人が多く所属しています。代表を務める中西俊勝さん自身も実はミュージシャン。“介護WITH”な働き方を応援しています。

1日のタイムスケジュール

  • 6:00 配達員のバイト
  • 11:00 総合格闘技の練習
  • 15:30 介護の仕事
  • 17:00 勤務終了
  • 18:00 身体のケア
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<ハーモニーヘルパーズ>は、「時間守って笑顔で挨拶」をモットーに、利用者の安心と快適な生活をサポートする訪問介護の事業所。研修や資格所得などスキルアッププログラムを積極的に取り入れ、情報共有の環境づくり、利用者へのチーム対応など、ヘルパーの育成や負担軽減に取り組んでいます。

所在地:東京都新宿区新宿7-26-37 グランドメゾン戸山2A
連絡先:03-6273-8139
URL:https://www.harmony-helpers.com/

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“夢と現実の両立を完全サポート”
“夢の実現に向けて最大級のバックアップ体制で挑みます”

訪問介護事業所<ハーモニーヘルパーズ>の公式サイトには、事業所のヴィジョンとしてこのような言葉が掲げられています。その背景には、代表を務める中西俊勝さんご自身がミュージシャンとして活動を続ける中で介護の仕事に出会い、夢と生活、介護と表現を両立してきた経験がありました。働く人の夢を応援する理由と具体的な支援について伺いました。

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元世界王者と介護の出会い

平日の朝7時30分。高齢者が暮らす住宅に訪問介護に訪れたのは、来家恵美子さん。かつて“風神ライカ”のリングネームで女子プロボクシング世界王座3階級制覇を果たし、現在も“ライカ”として総合格闘技のリングで闘い続ける現役格闘家です。
ライカさんは2024年から、週に一度程度訪問介護のヘルパーをしています。なぜ、格闘家が介護の仕事に就くことになったのか。そのきっかけは、ハーモニーヘルパーズ代表の中西さんとの偶然の出会いでした。

インタビュー写真 風神ライカさん(左)と中西俊勝さん
中西さん

人脈を作ろうと参加した異業種交流会にライカも来ていて。『風神ライカ…? 俺知ってるわー!』と。そしたらその10日後くらいにまた交差点で会って、思わず声をかけました。すごい経歴だから十分食うていけてると思ったらそんなことないと言うので、じゃあ介護の仕事があるからやってみない?と気軽に誘いました

実はライカさんは、ボクシングを始める前に老人ホームで働いた経験がありました。

ライカさん

いつかまた介護の仕事に関わりたいという気持ちを持っていたので、介護の世界に入るチャンスだと思いました。でも引き受ける以上はちゃんとやらなければいけない。自分のやれる範囲じゃないとできません。中西さんはそこをよくわかってくれて、逆に格闘技を応援してくれるので、すごくやりやすいです

インタビュー写真 訪問介護では、利用者の方を散歩に連れて行くことも

介護の仕事は表現を磨いてくれる

ハーモニーヘルパーズでは、ライカさんのように“介護WITH”な働き方をするスタッフが数多くいます。役者、音楽制作のエンジニア、障害者ランナーの伴走ガイドなど、活動内容もさまざま。その背景には、代表の中西さん自身の夢と介護への熱い思いがありました。

中西さん

私はもともとミュージシャンとして大阪から上京してきました。でもなかなか音楽だけで食べていけないし、音楽活動を中心にするとアルバイトができない。いろいろな仕事を転々として、デイサービスの事業所で働き始めたんです

認知症対応型のデイサービスで5年間働いた中西さん。最初は、介護の仕事に抵抗もあったと言います。

中西さん

僕はロックをやっているのですが、レクリエーションの時間に歌う童謡や唱歌を初めは『ダサいな』と思っていました。それでも歌ってみると、これが結構ええ曲で。僕のことを『あんた誰?』と忘れてしまう利用者さんが、歌になると『うーさーぎーおーいし かーのーやーまー』って歌って、泣き出すんです

介護の仕事を通して、歌が人の感情を揺さぶること、自分は感動を伝えたいから歌ってきたんだということを再認識でき、自分の音楽活動の表現も変わっていったと言います。実際に、デイサービスでの経験をもとに曲も作りました。

中西さん

やっぱり人と対峙する仕事だから、感受性を揺さぶられるんです。磨かれるというか。芸術家とかアスリートとか、何かを表現したい人はやったらといいと思います。自分でも、今のために音楽を続けてきたんだなと思えるくらい、介護と音楽とが結びついています

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夢を持つ人には覚悟とパワーがある

中西さんは2018年に合同会社アワー・ディケイドを立ち上げると、高齢者の訪問介護や障害者の移動支援などを行うサービス<ハーモニーヘルパーズ>をスタートさせました。管理者として一緒に会社を支える妻の映子さんも、かつては舞台で活躍した役者。そんな二人の元には、夢を持ちながら働く人が増えていきます。
夢を持つ人には覚悟とパワーがある、だからこそ応援したくなると中西さん。具体的に、“介護WITH”な働き方に対してどのような支援を行っているのでしょうか。

まずはシフトの工夫について。介護以外の活動によって、急な休み、長期の休みなどが発生することを想定し、訪問先の担当ヘルパーを一人に固定せずにメイン1人+サブ2人など複数で回せるようにするなどしています。

中西さん

現在<ハーモニーヘルパーズ>では約30人のヘルパーが登録していますが、例えばライカが休むときでも、それを埋める人材がいればいいんです。ライカが30人だったらもうあかん、つぶれます(笑)。でも、30人いれば30通りの働き方があるので、それをパズルのように組み合わせて、上手にシフトを組む。それが管理者の仕事だと思います

さらに、表現に携わる人が多い<ハーモニーヘルパーズ>だからこその支援もあります。

中西さん

表現をする人間にとっては、集客が命。お客さんが来ない、チケットノルマがあるけれど売りさばけない、という人が大概なので、動員のサポートをしています。あとは、スポンサー。ライカはユニフォームに広告を入れているんですが、広告費を払って一番目立つところに<ハーモニーヘルパーズ>と入れてもらっています

インタビュー写真 シフトは主に管理者の映子さん(右)が担当

冒頭で紹介したライカさんの場合、1週間のうち5日は格闘技ジムでのトレーニングがあります。介護の仕事で担当しているのは月曜日と火曜日の2日のみ。1日のうちで、ジムでのトレーニングと介護の仕事、どちらも行う日もあります。

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ライカさん

自分にとって、格闘技はすべてを忘れてただただ強くなることだけを考える時間。その中で、介護の仕事で利用者さんに会うのが自分にとってすごくいい時間になっていて、格闘技と介護のバランスが自分の中でちゃんととれているなっていう感じがしています

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介護の仕事があることで不安が安心になる

“介護WITH”な働き方の魅力について、あらためてお二人に聞いてみました。

中西さん

介護の仕事が楽しくて“介護ONLY”っていうのももちろんいいと思いますが、いろんな引き出しを持っている人が参入するほうが、もっと良くなっていくと思います。違う表現方法を持つ人たちが入ってくると、自分の考えは一つの意見であって正解じゃないんだと感じるんです。学ぶところがすごく多い。僕は代表として、そこを嚙み分けていくのが大変でありおもしろいと思う。自分の引き出しがどんどん増えるので

ライカさん

「これまで先のことなんて何も考えずにやってきました。先のことを考えたら格闘技なんてできない。命がけで格闘技をやっているんで。もちろんこれからもやれるところまでやるつもりですが、いざとなったら<ハーモニーヘルパーズ>があるということで、正直、不安が消えました。介護のお仕事も、中西さんと映子さんお二人も、自分の支えにさせてもらっています。だからこそ、一番大切な格闘技に全力で打ち込める。これまで自分はむちゃくちゃみんなに助けられて、応援してもらって、いろんな人を巻き込んで、いろんな人にお世話になってやってきたので、介護っていう“必要とされる仕事”で返したい。自分にとってぴったりな仕事だと思います」

ハーモニーヘルパーズの事業がスタートして7年。コロナ禍もあり、音楽活動よりも会社の経営に打ち込んできた中西さん。今年からまた音楽活動にも力を入れていきたいそう。

中西さん

10年ぶりくらいにニューアルバムを作ろうと思っています。それに合わせて数百人を集めてライブをやるのが目標です

その先にはもっと大きな目標も?と聞くと、「はい! 武道館があります!」と力強く答えてくれました。音楽が大切だから介護もがんばれる、介護があるから音楽に力を注ぐことができる。そんな中西さんの元には、また新しい“介護WITH”な人が集まってくるはずです。

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