文字サイズ・色合い変更

Webページの文字のサイズ、色合いを設定することができます。設定した内容は、全てのページおよび次回からご利用の際も適用されます。

文字サイズ

色合い

【第3回】誰にでも働けるチャンスを。完全テレワークへの挑戦。キービジュアル

【第3回】誰にでも働けるチャンスを。完全テレワークへの挑戦。

スタッフサービス・クラウドワーク様

2026.03.13

企業の雇用事例

INTRODUCTION

人材派遣事業を営むスタッフサービスグループにおいて、2015年に特例子会社であるスタッフサービス・ビジネスサポートの在宅就労事業として発足し、重度障害のある方々の就労を推進するために全国規模でのテレワーク雇用を実現してきたスタッフサービス・クラウドワーク。九州エリアでの8名の採用からはじまった同社は現在、600名を超える雇用を実現するまでに至っています。取り組みにあたっての想いや現場での工夫、そこで見えてきた障害者雇用の新しい形、今後の展望について、同社の歩みに深く関わってきた岡崎様、酒本様のお二人にインタビューします。

(今回は全4回連載の第3回目です)

きめ細やかなサポート体制と、在宅ならではの安全衛生管理。

― 在宅社員の皆さんの具体的な業務内容についてもお聞かせください。

岡崎様:在宅社員の業務内容は、徹底的にペーパーレスにこだわり、全てパソコンとネットワーク環境を活用した業務を行っています。 主に3つの業務があります。一つ目は、社内システムや決まったフォームへのデータ登録業務です。二つ目は、データのメンテナンスで、大量に保管されているデータベースの修正や更新を行います。そして三つ目は、データの作成です。 インターネット検索を活用した市場調査など営業支援的な業務が含まれます。 例えば、その調査結果を営業部門に提供することで、営業担当者が営業に専念できるようなバックヤード業務をグループ会社から請け負っています。 他にも、スキャンした名刺データのチェックや修正、入札に関する情報収集、交通費チェック、紙のタイムカードの確認など、多岐にわたる業務を行っています。最前線にいる営業担当者がより営業業務に専念できるように、営業でなくてもできる業務を私たちが担当しています。

酒本様:サポート体制も大切で、各拠点にスタッフが駐在しており、パソコンのトラブルや緊急時には自宅に訪問できる体制をとっています。 サポートは入社前から始まっており、最終面接時にはエリアスタッフが自宅を訪問し、個人の就業環境や体調面の状況を細かく把握しています。例えば、横になりながら就労される方には、どのような体勢がベストか、トイレまでの移動の時間や導線なども確認し、助言やアドバイスを行います。 また、すぐに駆けつけられない場所もあるため、各拠点は地元の支援機関とも連携し、必要に応じて支援機関の方に訪問してもらうこともあります。 採用活動においても、地元の支援機関との連携に力を入れています。

― 在宅で働いていただくための、細やかな確認を徹底されているのですね。

酒本様:次に安全衛生管理についてです。安全衛生委員会は、オンライン上で産業医を交えて本格的に実施しています。各エリアの在宅社員代表者が任期制で参加し、職場の安全チェックや啓蒙活動を行うのです。毎月テーマに沿って、各エリアの知識を持ち寄り、発表・協議しています。また、専属の保健師が当社に6名おり、オンライン保健室のようなものを設置しています。気軽に健康相談ができる場をオンライン上に設け、各エリアの担当保健師が在宅社員の健康面をサポートしています。体調面に不安がある場合は気軽に相談でき、健康診断などもサポートしています。そして、災害時の安否確認にはシステムを使用するのですが、定期的に避難訓練も実施しており、最近では安否確認の集約スピードも非常に上がってきています。

― 避難訓練を在宅の社員の方々が行うというのは、非常にユニークですね。

岡崎様:はい。オフィスにいる社員が行うというのが一般的ですが、自宅にいても、もしもの時のために「自分はどうするのか」という意識を持ってもらうことが非常に重要だと考えています。 定期的に行うことで、自身の避難経路を確認させ、何かあった際にどこへ避難するかを意識させる目的があります。 これにより、安否確認がスムーズに行えるだけでなく、社員自身の防災意識を高めることにもつながっています。 携帯電話の機種変更などで安否確認が届かなくなるケースも想定し、エラー発生を前提に定期的に実施することで、確実に情報が届くよう工夫しています。

評価制度をあえて設けない「働きがい」の創出。

岡崎様:社員の働きがいを創出するのも、もちろん大事なことです。当社ではあえて、評価制度を設けていません。在宅勤務は通勤型と比べて日ごろの仕事ぶりは見えづらいので、作業の生産性を中心に評価すると思いますが、私たちは幅広い障害特性の方を採用するため、初めから個々の生産性には違いがあることが前提なので馴染まないと考えたからです。その代わりに、活躍の場を広げる職域の開拓には力を入れています。 最初のうちは、チーム内の作業系業務を任せることになりますが、本人の意欲次第で、他職種や社内の別の活動など、作業系以外の活躍の場を徐々に広げることができるようになっています。

―  評価ではなく、チャレンジする機会をつくることによってやりがいを生み出しているわけですね。

酒本様:近年では「リーダー制度」を導入し、チームのマネジメント的な役割を担う在宅社員も増えています。管理スタッフの増員が追いつかないという課題が背景にはありましたが、それ以上に、在宅社員の中にはコミュニケーション能力の高いメンバーもいて、指導や他のメンバーのサポートといった責任のある役割を担える人材がいるのです。リーダーになるための登用基準の明確化と、メンバーとリーダーの業務の明確な差別化ができれば、「なぜあの人がリーダーなの?」といった不満が出ることはあまりありません。この制度を導入して良かったことは、障害者雇用を「支援する側」「支援される側」と分けて考えるのではなく、彼らのことを純粋に「会社の人員不足解決の戦力」として考えられたことです。 障害者を支援する、管理するといった配慮だけでは、組織も人も成長しないと実感しています。 リーダーのみならず、今後も在宅社員の活躍を戦力として見ていくことが重要だと考えています。

その他に、社員同士の働きがいにつながるような取り組みはありますか?

酒本様:年に1回、エリアごとにリアルに集まる集合型研修「エリアミーティング」を行っています。 コロナ禍はオンラインで開催していましたが、実際に会った瞬間から、皆が活き活きと会話が弾み、ものすごくエネルギッシュな空間になります。これは在宅社員だけでなく、私たち管理スタッフのエンゲージメントも高まる貴重な機会です。もう一つ、働きがい・やりがいづくりの一環として、「サンクスカード」というオンラインサービスを導入しています。 仲間同士で「ありがとう」の気持ちを楽しい絵柄のカードで送り合うサービスで、活発なやり取りがあり、20万通以上の「ありがとう」の言葉が交わされています。 普段オンラインでしか顔を合わせる機会がないからこそ、仲間たちとリアルに集まったり、感謝を伝え合ったりすることで、仲間の存在を実感できる、非常に貴重な仕組みだと思いますね。

(第4回に続きます。最終回は「具体的な業務内容や独自の制度」についてお伺いします)

岡崎 正洋 / スタッフサービス・クラウドワーク シニアアドバイザー プロフィール画像

Profile岡崎 正洋 / スタッフサービス・クラウドワーク シニアアドバイザー

新卒から人事系を中心に経験を積み、2003年5月スタッフサービスグループの人事部門にキャリア入社。人事労務担当を務める。2012年からスタッフサービスグループの特例子会社であるスタッフサービス・ビジネスサポートに着任。2015年9月にスタッフ3名で在宅就労事業(現在のスタッフサービス・クラウドワーク)の立ち上げを担当。以降、九州、近畿、関東、東北、東海エリアと拠点設立を歴任。2023年8月に定年退職後、同社シニアアドバイザーに着任。

酒本 速男 / スタッフサービス・クラウドワーク エリア統括部 ゼネラルマネージャー プロフィール画像

Profile酒本 速男 / スタッフサービス・クラウドワーク エリア統括部 ゼネラルマネージャー

2004年にスタッフサービスに入社。医療介護領域のメディカル事業本部にて、人材サービスの営業に携わる。2020年より、スタッフサービス・クラウドワークに異動し、北海道・東北・関東のエリア責任者を務める。テレワーク活用による障害者雇用の推進と事業拡大に従事。