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【第1回】「できる」に向き合えば、全員でいい方向に向かえる。

OKIワークウェル様

2025.08.21

ご本人の就労事例

INTRODUCTION

OKI(沖電気工業株式会社)の特例子会社として2004年に設立されたOKIワークウェルは、「通信」というOKIグループの強みを生かし、重度身体障がい者の在宅雇用を全国規模で推進してきました。社員一人ひとりの個性と能力を最大限に引き出す環境をつくり続けています。同社の設立背景から、独自のバーチャルオフィスシステム開発、そして社員の成長を支えるきめ細やかな取り組み、さらに未来への展望まで、その歩みに深く関わってきた加藤哲義様にお話を伺いました。

(今回は全3回連載の第1回目です)

重い障がいで通勤できない人こそ、うちで働いてもらうべきじゃないか。

― 本日はよろしくお願いいたします。まずはOKIワークウェルの設立経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。

加藤様:当社の成り立ちは、親会社であるOKIが、情報通信システムを提供する事業者として、障がい者雇用について模索していた時期に遡ります。グループ内で特別プロジェクトが立ち上がり、当時の社会貢献推進室長(後の初代社長)が中心となってOKIらしい社会貢献とは何かについて検討が進められました。OKIは情報通信を主力事業としているため、その技術を生かした障がい者雇用を実現したいという強い思いがありました。幾つかの福祉団体・支援団体と連携する中で、「重度の障がいがあり、一生懸命パソコンを勉強してもなかなか職に就けない方がたくさんいる」というお話を聞いたそうです。通勤が難しい方々でも、自宅にいながらネットワークを介して仕事ができれば、OKIの情報通信技術が生かせる上に、新たな雇用を生み出せるのではないかと考えました。ソフトウェア開発の業界では、隣同士で仕事をするよりもメールやチャットでやり取りすることが一般的です。それであれば「障がいのある方が自宅にいて、我々が会社にいても、十分にやり取りはできるはずだ」という考えに至り、重度身体障がいのある方の在宅雇用に取り組む特例子会社を設立する形になりました。これが2004年のことです。

― エンジニアの方々が「テレワークでも仕事はできるはずだ」という柔軟な発想で、障がい者雇用に踏み切ったというのは、御社ならではのカルチャーだったのかもしれませんね。

加藤様:そう思います。当時、特例子会社設立のキーマンとなった二代目社長も元々技術者だったので、「リモートで問題なく仕事ができる」という考えがあったようです。 また、体に重い障がいがない方々は通勤できますし、他社でも受け入れ先はあります。しかし、体に重い障がいのある方々は、一生懸命仕事に就く訓練をしても、なかなか職に就けないという現実がありました。であれば、通勤が難しい方々こそ、当社が採用すべきではないか、という使命感があったのかもしれません。技術があり社会貢献できる方々がいて、それを実現できる環境もあるのだから、やってみようという考えだったのでしょう。

OKIワークウェル様の画像

みんなと働くことが、自分自身を変えてくれる気がした。

― 加藤さんはOKIワークウェルにどのようなかたちで入社されることになったのですか?

加藤様:設立当時、少人数であればメールや電話での指示や進捗確認で業務は成り立っていました。しかし、社員が増えるにつれて課題も出てきたのです。メールではニュアンスが伝わりにくいことがあり、電話を使っていましたが、一人ひとりに何度も同じことを伝えるのは非効率でした。そこで当社は、国の助成金を活用して独自のバーチャルオフィスシステム「ワークウェルコミュニケータ」の開発に着手しました。私自身は、元々別の会社でエンジニアとしてキャリアを積んでいた頃でした。そして、そのシステム開発に外部のベンダーとして関わることになったのです。

― なるほど、外の人間として、OKIワークウェルのお仕事に携わられることになったのですね。当時のことについてもう少し詳しくお聞かせいただけますか。

加藤様:はい。当時はちょうど、私の長男が500gで生まれて、初めて「障がいのある方やそのご家族の暮らし」ということが私の意識レベルに入ってきた時期でした。そんな時、私の勤めていた会社に、この開発の話が舞い込んできたのです。私自身、情報通信の開発・設計ノウハウはありましたし「この仕事は私が引き受けなければいけないんじゃないか」と手を挙げました。そうして開発がはじまってから、年に一度開催されるOKIワークウェルの懇親会に参加させてもらったことがありました。全国から集まった重度障がいのある方々が、本当に熱心に、楽しそうに勉強会や懇親会に参加している姿を見たのです。大きな衝撃でした。移動や食事を取るのもままならない方々が、仕事の話を楽しそうにしている。「働くことは素晴らしいことなんだ」「障がいがあっても生き生きと働けるんだ」と、自身の仕事への向き合い方を見つめ直すきっかけにもなりました。皆さんにとって使い易い、より良いものを作ろうと、一層意欲的に取り組むようになったのです。

― 働くことへの強い思いを持たれた方々との出会いが、加藤様の仕事にも影響を与えた。素晴らしいですね。この開発はいつ頃の話になりますか?

加藤様:2004年にOKIワークウェルが設立されてから2年後、在宅勤務社員が20名を超えた2006年です。開発開始から社内で導入されるまでに2年をかけました。

― 加藤さんは、その仕事がきっかけとなってOKIワークウェルにご入社されるわけですね。

加藤様:入社して今年で10年になります。「ワークウェルコミュニケータ」の開発を終えた後も、しばらくは前職のエンジニアの会社に勤めていました。エンジニアの仕事は厳しく、どこか自分が疲弊するような気持ちになっていた頃だったのかもしれません。その会社を辞めることを決め、「ワークウェルコミュニケータ」の開発を以降担えないことを当時の二代目社長に伝えました。そうすると、今後、OKIワークウェルの事業拡大に人手が必要だということを教えていただいたのです。ご縁を感じました。

― 「ワークウェルコミュニケータ」開発の際の、加藤さんの働きぶりに、どこか共鳴するものを感じていらっしゃったのかもしれないですね。

加藤様:やはり懇親会の様子を見たり、みんなの生き生きとした様子を見たりして、当時は自分と対比することもあったのかもしれません。きっと「みんなと一緒に働きたい」という気持ちがどこか心に芽生えていたのだと思います。そして、障がいのある社員たちと一緒に働くのであれば、もう少し福祉や対人支援について学ばなければならないと感じ、介護福祉士の資格の勉強を始めました。現場を体験することで、「色々な人たちがいるんだ」ということを肌で感じたのです。基本的には、優しくなりたかった、という純粋な思いもありましたね。

― 自らを変えていかれる姿勢といいますか、どこかOKIワークウェルでキャリアを歩まれることが、ご自身の働く理想のようなものに近づいていく感覚をお持ちになったのでしょうね。

(第2回に続きます。次回は、OKIワークウェルの多岐にわたる業務内容と人材育成についてお伺いします)

加藤 哲義さんプロフィール画像

Profile加藤 哲義 / OKIワークウェル 事業部長

通信・情報通信分野での開発経験を持つ。OKIワークウェルでは、独自のバーチャルオフィスシステム「ワークウェルコミュニケータ」の開発に携わり、在宅勤務の現場を支える。現在は事業部長として、障がいのある社員への深い理解と寄り添う姿勢で、社員の成長と自立を力強く後押ししながら、新たな事業領域の開拓にも尽力している。精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士の資格も持つ。