職員座談会−印象に残っているエピソードを教えてください−他業種から転職を考えている方も多いと思います。アドバイスをいただけますか?−最後に、福祉職を目指す方へメッセージをお願いします供 のために全 力で取り組む一 体感が ありましたし、最 終 的にお子さんが 安 定した 生 活を送 れるまでに職員 T:父やその内縁の妻からの暴力で一時 保護になったお子さんのケースで、保護された当時は感情がうまく制御できず、些細なことで粗暴な行動を取っていました。児童福祉司・児童心理司が、子供の行動の背景にある困り感に寄り添いながら面接や調査を重ね、一 時 保 護 所 からの情 報も頼りに、保 護 者や地域の関係機関と調整を図り、実母宅での家庭復帰に繋げました。職員 F:一時 保護 所では、心の傷 付きが生活にどう影響しているか、どう対応するとうまくいくか、子供の良い面を捉え退所後も生かせるよう工夫してまとめました。職員 T:あれは 本当に役 立ちました。当初は家 庭 復帰に否定的だった地域の方も、生活場面での対応方法や子供の気持ちなどを丁寧に説明することで、次第に前向きになり協力してくれて。家庭 復 帰 後は児童心理司が中心となって親子合同のプログラムを実施したり、児童福祉司が学校訪問したり。各職種が専門性を生かし、チームとして信 頼し合いながら子なったことは何より嬉しかったです。職員 F:福祉の現場には、様々なバックグラウンドを持つ職員がいます。例えば元学習塾講師の方は子供とのコミュニケーション力を生かして活躍されていますし、一般企業で働いていた方は事務能力の高さを買われています。それぞれの人生経験が必ず生きる場面があります。職員H:私の同期にも異業種からの転職者が何人かいます。東京都の場合、充実した研修制度があるので、福祉の専門知識は入職後にしっかり学べます。大切なのは自分の価値観や特性を理解していることです。支援の現場では、自分自身の価値観が問われることが多いんです。職員 F:子供が好きな方はもちろん、様々な経験や特技を持った方に来ていただきたいですね。それぞれの強みを生かせる場所が必ずあります。職員 T:この仕事は大変そうで難しそうに見えるかもしれません。私も最初は不安でしたが、できるかどうかより、やりたいという気持ちを大切にして選択してください。東京都には安心して学び、成長できる環境が整っているので、ぜひ一歩を踏み出してほしいと思います。職員H:私たちの仕事は、家族の人生の重要な場面に立ち会わせていただく特別な仕事です。大変なこともありますが、それ以上にやりがいのある仕事だと感じています。ぜひ一緒に働ける仲間が増えることを願っています。児童福祉の現場では、それぞれの職種が 専門性を生かしながら、チームとして支援にあたっています。子供たちの成長を支える喜びと、専門職として成長できる環境が整っていることが印象的でした。具体的なチーム連携のあり方や、東京都ならではの充実した研修体制も、福祉職を目指す方々の参考になるのではないでしょうか。(聞き手 I:プロライター。2 児の父であることから育児や環境問題等に関心を寄せている。)児童福祉司子供や家族の困りごとを良い方向に変えていくお手伝いをしています一時保護所職員私たちは子供を一番近くで見守る存在です37座談会を終えて
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