「介護WITH」事業の紹介セミナー
~夢と介護が共にある働き方の未来を考える~を実施いたしました。
2025年11月27日(木)、介護WITHの取り組みや好事例の共有を目的とした「介護WITHプロジェクト」事業者向けセミナーを実施いたしました。
本セミナーは、柔軟な働き方を実現する介護職場づくりに関心をお持ちの介護施設経営者や職員の皆様に向け、以下の内容で実施いたしました。
- 1.ゲスト紹介
- 2.令和7年度介護WITH事業所受賞者発表
- 3.パネルディスカッション①「両立のリアル」/介護WITH職員
- 4.パネルディスカッション②「介護現場の未来をつくる環境づくり」/介護施設経営者
- 5.ゲストからのメッセージ
- 6.終わりに
本セミナーでは、介護WITHの働き方を実践するゲストとして、介護&ピースのお2人にご登壇いただきました。
「介護のプロ」と「お笑い芸人」のユニットという、業界初・異色のコラボレーションを実現
介護業界歴20年
大手社会福祉法人に入社後、デイサービスや介護付きホーム、特別養護老人ほーむのケアマネージャーを経て、施設長やデイサービスセンター長などの要職を歴任
お笑い芸人:オラキオさん(右)
芸歴25年の元体操選手
「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で一躍注目を集め、2019年からは介護施設で介護職員として勤務。
令和7年度介護WITH事業所として選定された10事業所を紹介しました。 各事業所は、職員一人ひとりの夢や個性を尊重し、介護の現場で輝ける環境を整えています。スポーツ・芸能・クリエイティブなど、多様な分野で培ったスキルが、利用者とのコミュニケーションやケアの質を高める力となっております。また、事業所ではこうした強みを最大限に活かせるよう、柔軟な働き方やスキルアップ支援を積極的に行っています。
【令和7年度介護WITH事業所一覧】| カテゴリー | 法人名 | 事業所名(サービス種別・所在) | 活動内容等 |
|---|---|---|---|
| 総合格闘技 | 一般社団法人自由学舎 | デイサービスやわら (通所介護・墨田区) |
「全日本ブラジリアン柔術選手権優勝者」兼「女子総合格闘技ランキング暫定王者」の柔術・格闘家が所属。シフトを柔軟に調整しバックアップ。 |
| ヨガ インストラクター |
株式会社yuaito | ヘルパーステーションにじ (訪問介護・多摩市) |
ヨガインストラクターが所属。活動を支える制度を整備しており、希望休100%を達成。 |
| 女子サッカー | シグニフィ株式会社 | 生活リハビリデイサービス りふり (通所介護・葛飾区) |
南葛SCWINGSの女子サッカー選手が所属。チームでの練習の際は、特別休暇として有休消化無しとする制度を用意するなどサポート体制が充実。 |
| フォトグラファー | 株式会社ゴルディロックス | リハビリセンター 高島平 (地域密着型通所介護・板橋区) |
SNSアイコンやプロフィール写真等の撮影を行うフォトグラファーが所属。柔軟なシフト調整に加え、職員に様々なキャリアパスを用意しており、働きやすさに配慮。 |
| 声優 | 株式会社グラッドケア | ここけあ練馬豊玉 (通所介護・練馬区) |
ゲーム、オーディオブック、ナレーション等の収録で活躍する声優が所属。勤務日数や曜日を柔軟に調整するなど夢や趣味の活動との両立に配慮。 |
| 俳優 | 株式会社さくら総合福祉 | さくら総合介護相談センター (居宅介護支援・北区) |
TVやCM・WEB配信等で活躍する俳優が所属。多様な勤務体系を設け、夢や趣味の活動との両立に配慮。 |
| ポケット ビリヤード |
早稲田アクティブ株式会社 | アクティブプラザ中野新橋 (地域密着型通所介護・中野区) |
ポケットビリヤードアマチュア世界大会東京都代表選手が所属。資格取得支援をはじめ、新しいことへの挑戦を応援する文化が法人内に根付いている。 |
| ベーカリー | 有限会社ハピア | リハビリ型デイサービス リハサロン祖師谷 (地域密着型通所介護・世田谷区) |
ベーカリーを開業し予約販売やイベント販売を行う職員が所属。30分の超短時間勤務も認めており、柔軟な働き方に配慮。 |
| 硬式野球 | 株式会社ハナマウイ | デイサービスリゾート ハナマウイ パームス (通所介護・葛飾区) |
都市対抗野球大会等で活躍する野球選手が所属。「室内練習場の整備」等、野球の取組を全面的にバックアップ。 |
| バスケット ボール |
株式会社ぶらんち | 介護ステーションぶらんち (訪問介護・港区) |
3人制バスケットボール(3×3)のプロリーグに所属予定の選手が所属。有給取得率100%を目標に掲げ、有給休暇を取得しやすい職場づくりを行うことで夢や趣味の活動との両立をバックアップ。 |
令和6年度の介護WITH受賞事業所にて勤務される職員さん3名をパネリストとしてお招きし、ご自身の経験等を踏まえて、介護WITHを実践する上での工夫や職場の支援、
また夢を持つことが介護の仕事に与える影響について、介護&ピースさんと意見交換を行っていただきました。
~3者が実践するそれぞれの介護WITH~ 介護と夢は相乗効果がある
学生時代からダンスと音楽制作を趣味として続けてきましたが、介護の仕事にご縁があり、小規模多機能型の事業所で完全な未経験からスタートしました。業務に慣れてきた頃、私が取り組んでいるロボットダンスの動きを活かし、利用者さんと一緒に関節の可動域を広げるエクササイズを実施してみました。手足をリズムに合わせてゆっくり動かすだけの簡単なものですが、予想以上に好評で、利用者さんに楽しみながら取り組んでいただけるきっかけになりました。また、音楽を聴くことで心が落ち着くことが多かった経験から、なかなか寝付けない利用者さんに向けて事業所で音楽を流してみました。すると、利用者さんが驚くほど寝つきやすくなり、感謝の言葉をいただくことができました。これらの体験を通して、これまで培ってきたダンスや音楽のスキルが介護の現場で活かされることに大きなやりがいを感じました。
私は介護の仕事と並行して、役者として舞台やミュージカルに出演しています。これまで、介護と役者の両方を20年間続けてきましたが、入社当初から役者活動をしていることを正直に伝え、突然仕事が入った場合には調整をお願いする形で介護のキャリアをスタートしました。役者としては覚悟を持って取り組んでいるので、介護も同じように覚悟を持つべきだと考えています。そのため、どちらの仕事にも120%の力を注ぎ、全力で取り組むことを大切にしています。二つの道を両立させることは決して簡単ではありませんが、それぞれに真剣に向き合うことで、自分自身の成長とやりがいを感じています。
私は美術大学で学んでいましたが、「誰かの役に立ちたい」という思いから介護の道を選びました。有償ボランティアでの介護体験をきっかけにヘルパー2級を取得し、そのまま介護職として働き始めました。現在は介護職に加え、「養育里親」として5歳の男の子を育てています。介護も育児も“ケア”という点で共通しており、家族や地域を巻き込みチームワークを生かしながら支えることに大きな意義を感じています。
また、在宅介護では、家庭ごとに異なる価値観を理解しながら「本当に喜ばれる支援」を考える奥深さに魅力を感じています。ターミナルケアに携わる際には、利用者さんやご家族の思いに寄り添い、その人らしい最期を支えられたとき、大きなやりがいを感じます。人の人生に寄り添い、その人らしさを尊重できること、それが、私が介護の仕事に強く魅力を感じ続けている理由です。
令和6年度介護WITH事業所の経営者お二人から、介護WITHな人材を支える具体的な制度や文化、また、事業所として大切にしている点等について語っていただきました。
大学卒業後、生命保険会社に新卒入社
2011年9月より現職
公私を通じて東京都心部における今後の地域社会のあり方を模索中
シンガーソングライターとして活動展開し、上京。
2012年 音楽活動と並行して高齢者介護の福祉の世界に
2015年 介護福祉士国家資格を取得
同時期に障害者へのサービスにも携わり、介護現場で得た知識や経験を活かす為に法人を設立し、現在に至る
~経営者として描く、介護現場の新しい組織文化と事業所づくり~ 「お互い様」の文化、「プロフェッショナル意識」の醸成
確かに、WITH職員がいることでシフト調整などの工夫は必要になります。しかし、私たち一人ひとりも、ご家族や個人の活動など、さまざまな場面で支え合うことがあるはずです。だからこそ、「お互い様」で助け合う文化を築いていくことが非常に重要だと感じています。
本来、介護はプロフェッショナルな領域です。だからこそ、個々がこれまで以上に高いプロフェッショナルマインドを持ち寄り、互いに協力しながら働くことで、より良い業界をつくることができると信じています。
当事業所は訪問介護を中心としていますが、職員が立ち寄ってくれる際には昼食を準備しています。訪問介護は業務上、職員同士のコミュニケーションの機会が少ないため、昼食をきっかけに顔を合わせることができるのはとても嬉しいことです。こうした何気ない会話から、利用者さんの情報共有や職員のメンタルケアにつながるなど、確かな効果を感じています。また、格闘家として活動している職員のユニフォームにスポンサーとして参画したり、一般的な介護事業所とは大きく異なる事業所内のデザインや雰囲気づくりを行ったりと、従来の「介護事業所らしさ」を払拭するよう工夫しています。介護に対するイメージや先入観を変えることで、新しい働き方やより良い職場環境につながると考えています。
本セミナーを通じて、介護&ピースのお二人からも様々なご意見、メッセージをいただきました。
今日の参加を通じて、まさにその言葉を実感しました。私はこれまで、介護×芸人として先陣を切って活動しているつもりでした。しかし、このセミナーでこれほど多様な方々が介護とご自身の活動を両立させ、さらにそれを支える事業所が多岐にわたる取り組みを行っていることに驚きました。今後、私も福祉事業所のオーナーにもなりますが、現場の方々が主体的に決めていくという点で非常に学びがありました。介護WITHという働き方の広がりは介護業界が変わっていく大きな転換点になると強く感じています。
離職率の高さが叫ばれる昨今ですが、本当にやりたいことや自分が望む働き方は、長く続けられるものだと思います。介護WITHは、その実現を可能にしている取り組みです。そして、それを下支えする事業所の存在があるからこそ、1人ひとりのモチベーションが高まり、業界全体を明るく照らす可能性に満ちたプロジェクトだと感じました。
本セミナーでは、ゲストの皆様をはじめ、多くの方々にご登壇いただき、介護業界で働く方や経営者のリアルな声、そして豊富な事例を共有することができました。ここで得られた知見が、介護業界に携わる皆様のさらなる挑戦と、明るい未来を切り拓く一助となれば幸いです。